三つの制度と「812校」——骨太が閣議決定でそっと書き足したもの 案からの「差分」を読む
最初に、この記事が二つのうちどちらを扱うのかを、はっきりさせておきます。取り上げるのは、骨太の方針です。成長戦略ではありません。
理由は単純です。成長戦略の研究・大学に関する中身が、6月30日の案からまったく変わっていないからです。中核大学群の認定制度、官民研究開発投資180兆円、理工農・デジタル・保健系の定員を2024年の35%から2040年に5割へ、運営費交付金・科研費の拡充——いずれも案の文言のまま決定に至りました。成長戦略で唯一動いたのは、2040年度の国内投資目標を250兆円へ引き上げた点ですが、これは研究の話ではありません。
変化があったのは、骨太の側です。しかも、本文の目立つ一文ではなく、原案から静かに書き足された二つの脚注に宿っていました。この続報は、その二つの加筆——三つの大学支援制度の「体系化」と、「大学数812校」の明記——に絞って読み解きます。
私はこのニュースレターで、6月30日の原案の段階から、骨太・成長戦略・財政審建議という三つの文書を追ってきました。
今回、骨太決定版の本文を公式ページから入手し(といっても仰々しいことではなく、公開されているので誰でも読めます)、AIの力も借りながら、原案と一字一句を突き合わせました。結論から言えば、研究・大学の骨格——運営費交付金・科研費の「大幅な拡充」と、「規模適正化」「撤退」の同居——は、まったく修正されずに閣議決定されています。政治の争点は、終始、金融・財政・消費税にありました。
ところが、その「無修正で通った」はずの章に、原案にはなかった加筆が静かに二つ入っていました。どちらも、ニュースではほとんど報じられていません。
一つは、三つの大学支援制度を「体系化」するという一文。もう一つは、「大学数は812校」という数字の明記です。
そんな細かい記載になんの意味があるの?と思われるかもしれません。しかし研究者にとっては、金融政策の文言修正よりもよほど重い変更といえます。順に読み解いていきます。
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