370兆円の「賭け」——戦略17分野ロードマップが研究現場に突きつけるもの
本記事は、毎週発行しているメールマガジンで収集したニュースを中心に、科学技術政策関連ニュースを解説します。毎週日曜日に発行予定です。今回は先ごろ閣議決定された第7期科学技術・イノベーション基本計画について深掘りします。
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「大変な量の資料が出てまいりました」
2026年6月24日夜、総理大臣官邸で開かれた経済財政諮問会議・日本成長戦略会議の合同会議。その席上で高市首相が漏らした言葉が、この会議の性格をよく表していました。
公表されたのは、政府が「戦略17分野」と位置づけるAI・半導体、量子、創薬・先端医療、フュージョンエネルギーなど17分野における62の「主要な製品・技術等」についての官民投資ロードマップです。以下のそれぞれの会議のページに同じ資料が掲載されており、そこからロードマップを見ることができます。
以下のリンクは経済財政諮問会議の配布資料です。300ページを超えるPDFです。
投資額の試算は、2040年度までの累計で370兆円超とされています。
分野別に最も大きな投資額を見込むのは、AI・半導体分野の「フィジカル・インテリジェント・システムの中核を担う半導体」で、2040年度までで68.0兆円です。これに続くのが、コンテンツ分野のゲーム(2033年度までで24.5兆円)、創薬・先端医療の「ファーストインクラス製品・ベストインクラス製品」(2040年度までで23.4兆円)、AI・半導体のバーティカルAI(2040年度までで23.1兆円)です。
高市首相は閉会後の発言で、長く低迷してきた日本の潜在成長率を高める必要があると述べ、緊縮志向と単年度で予見可能性のない補正予算頼みによって、技術を社会実装し強い経済につなげるための国内投資を十分に引き出せていなかった、との認識を示しました。そのうえで、今後の予算編成を抜本的に改めると宣言しています。
数字のスケールだけを見れば、これはかつてない規模の産業政策です。しかし一次資料を丁寧に読むと、いくつかの重要な留保と、研究現場への深刻な含意が浮かび上がってきます。
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