「8.7兆円」に沸く前に――概算要求シーズンの歩き方
本記事は、毎週発行しているメールマガジンで収集したニュースを中心に、科学技術政策関連ニュースを解説します。毎週日曜日に発行予定です。今回は先ごろ閣議決定された第7期科学技術・イノベーション基本計画について深掘りします。
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毎年8月の下旬になると、私のXのタイムラインは同じ色に染まります。
正直に書きます。私はこういう見出しを見ると、つい浮き足立ちます。長く「研究者が食えない」「大学が痩せていく」という話ばかり書いてきた身としては、数字が上を向いているというだけで、少し救われた気持ちになるのです。
しかし、浮き足立ったまま9月を迎えて、12月に「あれ、あの話はどこへ行った」と肩を落とす。この繰り返しを、私は何度も見てきました。
概算要求とは、各省庁が来年度の予算の使い道を財務省に提案する、いわば「予選トーナメント」です。決勝は12月下旬の政府予算案の閣議決定であり、優勝が確定するのは翌年3月末の国会成立。8月末の報道は、予選の組み合わせ表が出た段階にすぎません。
しかも今年は、例年とかなり様子が違います。各省庁の要求総額は初めて130兆円を超える見通しで、その主因は上限を設けない新しい投資枠です。数字が大きいことと、政策が前に進むことは、必ずしも同じではありません。
ここから先は、(1)「8.7兆円」の正体、(2)今年の三つの異例、(3)報道の読み方、(4)2024年の科研費倍増署名がこの2年で何を動かしたのか、そして9月からの働きかけのカレンダーをまとめます。
なお本稿は、株式会社千正組の解説「第11回:概算要求の読み方‐政策・予算の動きを先取りする‐」(有料記事)を大いに参考にしました。政策に関わる方には必読です。
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