科学の独立、静かに崩れる~米助成金規則改定が映す日本の明日

アメリカ政府が、連邦助成金の管理規則を抜本改定する提案を公表しました。政治任用者による事前審査、ピアレビューの格下げ、随意の打ち切り権限が柱です。研究の独立性を根底から揺るがすこの動きを、一次資料から読み解きます。日本学術会議の法人化や国立大学法人法改正と重ね、私たち一人一人に何ができるのかを考えます。
榎木英介(カセイケン代表) 2026.06.14
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 2026年5月末、アメリカ政府が一つの文書を公表しました。400ページを超えるその提案規則は、一見すると地味な「助成金の事務手続き」の改定にすぎません。

 しかし中身を読み込むと、これは連邦政府が約80年かけて築いてきた科学研究のあり方を、根本から組み替えようとするものでした。

 規則の名は「連邦財政支援に関する規則(Regulation for Federal Financial Assistance)」。所管は大統領府の行政管理予算局(OMB)です。

 米医科大学協会(AAMC)のスコートン会長は、医療系メディアSTATへの寄稿で、40年を超える研究生活でこれほどの脅威を見たことはない、と書きました。

 大げさな表現に聞こえるかもしれません。けれども規則本文を読むと、その危機感には確かな根拠があります。そして、これは決して「対岸の火事」ではないのです。

 ここから先で、提案規則が研究の独立性に何をもたらすのかを一次資料に即して分析し、日本でじわじわと進む国家統制と重ね合わせ、私たち一人一人に何ができるのかを考えていきます。

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