日本成長戦略会議第一回会議詳報〜「選択と集中」の強化か

 2025年11月10日、政府は「危機管理投資/成長投資」を掛け合わせた新たな成長戦略会議を立ち上げ、17の戦略分野を打ち出しました。果たしてこの成長戦略は、真に科学技術立国への道を拓くのか、それともまた制度疲労・構造的停滞のスパイラルに陥るのか。今回は科学技術政策の視点から、第1回会議の骨格を整理し、見え隠れするリスクを浮き彫りにします。
榎木英介(カセイケン代表) 2025.11.11
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 11月10日に第一回が開催された「日本成長戦略会議」。高市早苗総理の肝煎の会議です。本稿では、この会議について掘り下げます。成長戦略として17の分野を取り上げ、量子・AI・合成生物学・バイオ・創薬・先端医療・フュージョンエネルギーなど、典型的な「ハイテク・先端技術」が科学技術・イノベーション政策の主戦場となっています。

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1.成長戦略会議での科学技術位置付け

 本会議では、国家として「基礎研究から社会実装、産学連携を一気通貫で捉える」方針が改めて強調されました。 各分野に担当大臣を置き、官民投資促進策を策定する体制を構築します。このなかに、科学技術に関連する分野が複数あります。

「危機管理投資」「成長投資」の17戦略分野のうち科学技術関連のもの(右が担当大臣です)

  • AI・半導体:内閣府特命担当大臣(AI戦略)/経産相

  • 量子 科学技術政策担当相:合成生物学・バイオ 経産相

  • 航空・宇宙 経済安全保障担当相:デジタル・サイバー 経産相/デジタル相

  • 創薬・先端医療:科学技術政策担当相/デジタル相

  • フュージョンエネルギー:科学技術政策担当相

分野横断的課題で科学技術関連のものと担当大臣

産業・人材・金融・労働などの横断的課題にも責任者を明示し、包括的な対応を図ります

  • 新技術立国・競争力強化:経産相

  • 人材育成(大学改革・高専教育):文科相

2.具体の制度枠・支援スキーム

 科学技術分野でも、ほかの分野と同様に官民投資を促す枠組みが制度設計の議論入りしており、産学連携・スタートアップ支援・スタンダード化・人材育成といった横断項目も戦略的横並びで位置づけられています。

 各担当大臣が分野別投資促進策・課題解決策を策定し、成長戦略担当大臣(高市早苗総理)が全体を取りまとめ、2026年度以降の実行計画を策定予定です。

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