科学と社会の接点を読む(2025年11月第1週版):環境危機、国立大学法人大学改革、AIガバナンス、
今週号では、南極氷河の急速後退やアマゾン火災の拡大など環境危機のニュースを中心に、
国立大学法人改革や授業料値上げをめぐる議論、AI政策の倫理と統治に関する国際的動向を取り上げます。
――科学技術と社会のいまを読み解く20本――
今週号では、環境・感染症から研究公正、AI政策、大学改革まで、幅広い科学技術・社会ニュースを収録した「Science Communication News」第1149号(2025年11月5日発行)から、注目トピックをピックアップしました。 前半は一般読者向けの無料ダイジェスト10本、後半は政策・制度面を掘り下げた有料解説10本です。
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【無料版】
1 COVID-19再拡大の実態とワクチン評価の現状
Nature誌などが報じるように、世界的にCOVID-19の再拡大が進んでいる。日本でもワクチン関連の副反応認定事例が厚労省で報告された。パンデミック対応の総括と、ワクチン併用療法の進展を振り返る。 🔗 Nature / 厚労省報告
2 新潟・北海道で鳥インフル疑似患畜確認
今年の鳥インフルエンザは、北海道と新潟で国内2・3例目が確認され、農水省が防疫対策本部を持ち回り開催。今季は例年より早い発生ペースで警戒が強まる。 🔗 農林水産省プレスリリース
3 富士山頂の雲からも「マイクロプラスチック」
朝日新聞が報じたように、富士山頂の雲からもマイクロプラスチックが検出された。大気を介して地球規模で拡散する「見えない汚染」が明らかに。 🔗 朝日新聞デジタル
4 南極氷河の「史上最速後退」──気候変動の臨界点か
Science誌による最新分析で、南極氷河が観測史上最速の速度で後退していることが判明。気候変動の転換点を示す可能性がある。 🔗 Science
5 徳島大学で研究室内死亡事故──安全管理体制に疑問
停電中の低温培養室にドライアイス31kgを搬入し、一酸化炭素中毒とみられる死亡事故。大学の危機管理体制と「安全教育」の再考が求められている。 🔗 徳島大学公式発表
この件については、榎木の個人noteでもまとめています。
6 北大で「産休降格」訴訟──ジェンダー平等は進むか
北大の元助教が産休後に降格・雇い止めされたとして大学と教授を提訴。研究現場でのジェンダー平等とハラスメント防止の課題を問う。 🔗 共同通信報道
この件は榎木の個人noteでまとめました。
7 AI生成コンテンツの「著作権声明」相次ぐ
OpenAIのSora2公開を受け、出版社・団体が「著作権侵害を容認しない」と共同声明。AI生成物の法的位置づけをめぐる攻防が激化している。 🔗 日本経済新聞
共同声明公式ページは以下。
8 アマゾン火災の急増、衛星が捉える「違法伐採の連鎖」
アマゾンでは9月の火災件数が急増。違法伐採と乾期の焼き畑化が複合する“構造的環境破壊”の様相。衛星データが現実を突きつけている。 🔗 読売新聞
9 授業料値上げへ 国立大の財政構造にひずみ
東京大学などが授業料引き上げを検討し、全国の国立大学にも波及の兆し。交付金削減や物価高が背景にあり、「高等教育の公共性」と「自己負担の限界」が再び問われている。 🔗 The Japan Times
10 科学者が広島に集結──パグウォッシュ会議20年ぶり開催
核兵器廃絶を訴える科学者の国際会議が広島で開催された。被爆地から再び「科学と倫理」の原点を問う声が上がる。 🔗 Yahoo!ニュース(HOME広島)
パグウォッシュ会議のページは以下。