削られる科学、守る議会——アメリカ三権分立の今

米トランプ政権はNSFへの55%削減など大幅な科学予算カットを2年連続で要求しましたが、共和党主導の議会はいずれも拒否し、比較的緩やかな削減にとどめました。しかし議会が予算を承認しても、行政管理予算局(OMB)が資金執行を意図的に遅延させており、三権分立の枠組みの中で科学政策をめぐる攻防が続いています。
榎木英介(カセイケン代表) 2026.05.03
サポートメンバー限定

 本記事は、毎週発行しているメールマガジンで収集したニュースを中心に、科学技術政策関連ニュースを解説します。毎週日曜日に発行予定です。今回は先ごろ閣議決定された第7期科学技術・イノベーション基本計画について深掘りします。

 メールマガジンの購読は以下から。

 メールマガジンから必読記事をピックアップし以下に掲載しています。

 本ニュースレター購読は以下から。無料で登録すると、メールで記事が届きます。有料登録すると、より深い考察が読めます。

***

大統領が要求し、議会が拒む——2年連続の構図

 2026年4月30日(現地時間)、米国下院歳出委員会の小委員会が、2027会計年度(FY2027)の科学予算に関する法案草案を可決しました。その内容は、トランプ政権の要求を大幅に緩和したものでした。

 政権が要求した国立科学財団(NSF)の55%削減に対し、議会案は20%削減。NASAについては政権が23%削減を求めたところ、議会案は現行水準を維持しました。海洋大気庁(NOAA)も政権要求の27%超削減に対し、議会は5%減にとどめています。

 実はこれはデジャヴです。1年前のFY2026予算でも、トランプ政権は同様の大幅削減を要求し、議会は同様に拒絶しました。そのパターンが、今年もほぼ同じ形で繰り返されています。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、3234文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

サポートメンバー限定
「実質合意」から「正式署名」へ——ホライズン・ヨーロッパ協定の中身を読...
サポートメンバー限定
「黄金時代」と名づけられた解体——ホワイトハウス科学報告書『Scien...
サポートメンバー限定
「人社系のダウンサイジング」は、いつどこで決まったのか——8か月の経路...
サポートメンバー限定
三つの制度と「812校」——骨太が閣議決定でそっと書き足したもの 案か...
サポートメンバー限定
東京大学の改革は成功するか?
サポートメンバー限定
オフキャンパスという知恵は「毒饅頭」か〜統合イノベーション戦略2026...
サポートメンバー限定
「大幅拡充」と「250校削減」は同居できるのか〜骨太・成長戦略・建議、...
サポートメンバー限定
財政審・春の建議が確定させた「大学250〜400校削減」——審議会段階...