科学と社会の接点を読む〜2026年3月29日版 第7期科学技術・イノベーション基本計画が閣議決定――180兆円目標の重みと基礎研究の行方

2026年3月27日、第7期科学技術・イノベーション基本計画が閣議決定されました。官民合計180兆円の研究開発投資、トップ論文数世界3位という高い目標を掲げた一方で、前期(第6期)の120兆円目標が大幅未達のまま引き継がれた形です。基礎研究の位置づけ、パブリックコメントの反映度、安全保障との連携強化など、重要論点を深掘りします。
榎木英介(カセイケン代表) 2026.03.29
サポートメンバー限定

 本記事は、毎週発行しているメールマガジンで収集したニュースを中心に、科学技術政策関連ニュースを解説します。毎週日曜日に発行予定です。今回は先ごろ閣議決定された第7期科学技術・イノベーション基本計画について深掘りします。

 メールマガジンの購読は以下から。

 メールマガジンからのピックアップ記事は以下に掲載。

 本ニュースレター購読は以下から。有料登録すると、より深い考察が読めます。

***

閣議決定――5年ごとの「国の約束」

 2026年3月27日、第7期科学技術・イノベーション基本計画が閣議決定されました。

 5年ごとに策定されるこの基本計画は、国の科学技術政策の「羅針盤」であり、研究費の配分から大学改革、産学連携まで、幅広い施策の根拠となる重要な文書です。

 計画冒頭では、「このままでは日本からはもはやノーベル賞は生まれなくなるのではないか」という声が聞かれるようになったと記され、2000年代初頭から続く我が国の相対的な研究力低下に危機感が示されています。 実際、トップレベル論文数の国別ランキングで日本はかつて世界4位だったものが、現在では13位まで後退しています。

 本計画については、筆者もパブリックコメント募集中の2026年2月に先行記事を書きました。

 今回はその閣議決定版を受け、とくに(1)投資目標の現実性、(2)基礎研究の扱い、(3)パブリックコメントの反映状況、という3つの論点から深掘りします。

***

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、3674文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

サポートメンバー限定
大学非常勤講師問題の現在地
サポートメンバー限定
「京都」の名を冠したワシントンの言葉――17カ国が支持した「科学の黄金...
サポートメンバー限定
査読はタダ働きか、商売か ― 揺らぐ学術の相互扶助
サポートメンバー限定
「旧スタッフ」という言葉が示すもの――北大「組織的アカハラ」認定と講座...
サポートメンバー限定
1人の大臣に10分野 高市改造内閣の科学技術布陣を読む
サポートメンバー限定
88時間と90年——AIが数学界に突きつけた「先取権」という課題
サポートメンバー限定
福島大学の「動画騒動」と学術発信のあり方
サポートメンバー限定
「経済安保5割増」の中身を開けたら――内閣府1兆240億円要求と、AI...